大自然を相手に遊ぶレジャースポーツでは、ときとして予想外のアクシンデン トに遭遇する場合もある。それらは、実際にはほんのささいなことがキッカケで
大きなトラブルにつながるケースが多い。たとえば、スキンダイビングをしてい て浮上時に水を飲んでしまい水面であわててしまったり、エントリー時や水中移
動時にスクーバ器材をひっかけて身動きがとれなくなってしまったりといった、 落ち着いて対処すればすぐに解消できる小さなトラブルが原因となって一瞬にし
てストレスから不安、パニックへと拡大していってしまう。
こうしたトラブルが発生しても、すぐに対処できる知識をそなえるとともに、 トラブルを未然に防ぐ能力を身につけ、さらに万一の事故の際の救命方法までを
学のが、レスキュー・コースだ。実際の講習では、疲労したダイバーや負傷した ダイバーの救助方法、水面アシストの方法、陸上での搬送方法、応急処置、救急
の場合の速やかな通報の仕方、水中捜索方法など現実に役立つ知識をトータルに 習う。
たとえば救助法ひとつをとっても、救助を必要としているダイバーの精神面、 状況、救助場所、環境の違いなどでその方法は変わってくるのだが、講習では、
ビーチの場合、ボートの場合などのパターンを想定して、適切な方法をシミュレ ーション形式でひとつひとつマスターしていく。レスキュー・コースを受講する
ことは、他のダイバーを救助できるテクニックが身につくばかりでなく、同時に 自分自身のスキルアップが図れ、さらにはセイフティ度も格段に向上することに
なる。バディがレスキュー経験を持つ経験豊富なダイバーであれば、より安全性 の高いダイビングが安心して楽しめることは間違いない。
レスキュー・ダイバー・コースは、ダイブマスター・コースなどPADIプロ
フェッショナル・ダイバーへのステップアップにも不可欠なコースだ。